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2013年05月10-12日 西純一 個展

西純一 個展
Self portrait Vol.2 - memory as fragments(自画像2 - 記憶の欠片(カケラ))

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日時:2013年5月10〜12日
10日 18時 オープニング+作家トーク
11〜12日 11〜17時

場所:大阪市立大学高原記念館学友会ホール
主催:大阪市立大学都市研究プラザ(文化創造ユニット)

 西純一の高原記念館での2回目の個展は、前回と同様、自画像がテーマだが、その相貌は大きく変化した。第1回「ホワイト・バランス」は、99の自画像によって自己の基準をさがし、内面の安定を求める作業であった。90番台は血飛沫を連想させる強烈な自己主張で終わった。安定を求めるが、それを掴みきれない狂おしいまでの思いが伝わってくる。
 今回の自画像は、技法的にはその延長上に位置づけられる部分もあるが、他者の自画像なのである。他者を自画(自我)として描くところに、西純一の精神の大きな移行を感じ取ることができる。第1回の作品づくりでは、私はただ見守るだけであった。しかし今回では率直な感想を述べ、その対話が作品づくりに影響を与えている。基本的に天才的な即興を身上とする西の手法に、私の横やりは、いわば知識の領域からの無法な侵入に違いない。そこから生じる葛藤はすぐれてモダニズムの世界に属するが、中西夏之に私淑し、その系譜をひく西の表現に、「日常の風」を吹き込む役割を果たしているのではないかと思う。【中川眞】

西純一 プロフィール
1949年京都府に生まれる。1963年より日本画を小川立夫氏に、1968年より油画を榎倉康二氏に師事する。1983年に高井信楽窯業試験所場長から陶芸に関する薫陶を受ける。現代アートの手法を独学で吸収し、2000年より大阪府豊能町のアトリエで自然と対峙しながら制作に励む。高原記念館では2010年の「ホワイト・バランス」以来、2度目の個展となる。