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グローバルCOE拠点

グローバルCOEプログラム『文化創造と社会的包摂に向けた都市の再構築』

パンフレット [PDF, 2.4MB]

2006年4月、大阪市立大学に「都市研究プラザ」という研究施設が誕生しました。日本最大の公立大学として、これまでも都市の研究に力を注ぎ実績をあげてきた本学が、都市再生へのチャレンジとして立ち上げたまったく新しいタイプの研究施設です。
プラザという名前からもわかるように、この施設は「広場」というイメージにもとづいてつくられています。固定した施設とスタッフがいて、そのなかで研究して成果を社会に還元するというタイプの組織ではありません。大阪や周辺都市の街・海外の都市に、小さく移動可能なサテライト施設(「現場プラザ」「海外サブセンター」)を設け、教員、院生のスタッフはつねに現場や海外に出て、研究やまちづくりの活動に専心しています。プラザはおのずと開かれた研究やまちづくりネットワークの拠点、つまり「都市」というテーマで、みんなが出会い集まる広場となっています。

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2007年、都市研究プラザは、『文化創造と社会的包摂に向けた都市の再構築』というテーマでグローバルCOE拠点に選ばれました。 グローバル化と知識経済社会への移行の中、芸術をコンテンツとした「創造的文化産業」やその担い手たる「創造階級」が世界的に注目される一方で、新自由主義的な構造改革により福祉政策が混迷し、障害者や野宿者などに代表される「社会的弱者」の生活困難が増大しており、社会的格差の克服が緊急の政策的課題となっています。本プログラムは芸術文化の創造的な作用を活かし、新産業を創出するのみならず、都市コミュニティを再創造し、社会的に排除されてきた人々の自立を支援して、「社会的包摂」を実現する都市(空間)のあり方を学際的に追究します。同時に、こうした実践を通じて21世紀にふさわしい先端的都市論の彫琢を前望的に志向しています。

理論的には、都市の「文化と産業の創造機能」に着目する「創造都市論」をベースにして、現場プラザでの社会実験を通して潜在化している市民の多様な創造性を引き出す「創造の場=創造的都市空間」の形成をめざしています。都市固有の文化的背景とガバナンスのあり方を歴史的に俯瞰し、グローバルな視点からベンチマーク都市の比較研究を積み重ね、現実に生起している諸問題を創造的に解決する市民の知恵、すなわち市民知に学び、これを吸収し、従来の都市研究にない躍動的な都市学の形成を企図しています。

本プログラムは、次の4つのユニットにより推進していきます。